3-39リストラで退職した人の職務経歴書はこう書け!
今や日常茶飯事の話、リストラを気にし過ぎないこと
過去は過去として捉え、未来志向で語ること
この年代となると、リストラで退職を余儀なくされた人も少なくないでしょう。
この年代にとってはリストラという言葉自体、非常にネガティブで嫌な響きですが、企業人事を扱う立場からすると、何ら珍しくない、日常茶飯事の話です。
昨今、東証一部電機メーカーの何千、何万という人員削減のニュースが連日、報道されていていますが、こういった報道は既に食傷気味で聞き飽きた人も多いはずです。
今や超大手企業でもリストラは当たり前の話ですから、その対象になったからと言っていちいち卑下する必要はありません。
それよりもリストラの事実を真摯に受け止めた上で、この先どうするのか?といった未来志向を語ることが重要です。
それなので、リストラになった経緯を客観的観点から説明しておくことは大事ですが、そこに重心を置いてしまうと、くどくなってしまいますし、採用人事の心証を悪くしてしまう危険性があります。
たとえば、「前職では周りからリスクが高いと言われているのにも関わらず、当時のワンマン経営者であった代表取締役が○○事業に進出して失敗し、多額の損失を被りました。それに伴い会社の業績が急激に悪化し~」というような自分の批判的な見識まで含めた詳細説明は不要ということです。
具体的な書き方ですが、「職務詳細」の中の「退職理由」欄で、リストラになった経緯を客観的事実に基づいて記述した後に、自身のリストラの捉え方、向き合い方、そこから得たこと、そして今後どうするか、といった流れで未来志向を表現します。
これがこのケースの最大のポイントです。
たとえば、「今思えば反省すべき点もあったが、リストラの憂き目に遭ったことで人間的に一回り大きくなれた」とリストラへの前向きな捉え方、「私に課された人生の試練であり、必ず乗り越えてみせる」というリストラへの向き合い方、「今回改めて働けることのありがたさを実感できた、次では周りに感謝の気持ちを持って、仕事に全力投球したい」という今後への取り組み姿勢などを適宜盛り込んでおきます。
そしてこれらは「自己PR」欄か、「特記事項」欄を活用して書くのがよいでしょう。
なお言うまでもありませんが、一番やってはいけないことは、リストラを行った恨み節、誹謗中傷です。
これは絶対に書かないでください。最後に他の項目については、リストラによって否定されることはありませんから、基本どおりに書いておけば大丈夫です。
リストラで退職した人の職務経歴書のサンプル(ワードファイル)が欲しい方は
←をクリック!
リストラで退職した人の職務経歴書サンプル
40歳男性。大学卒業後、JAとスーパーマーケットで店舗販売職に約17年従事。企業買収により前職をリストラ退職。
今回は中堅スーパーマーケットの店長候補職への応募。
ここがポイント!
①「職務要約」
・年齢から、ここは「一気通貫記述法」を用いてまとめておき、後半に求人に合ったPRを持ってくるのは、いい表現方法です。
②「職務詳細」
・経験社数が2社なので、「編年式・逆年代順形式」で書きます。
・この直近の「退職理由」欄での表現方法が最大のポイントの一つです。このようにくどくならない程度に客観的事実を中心にした理由説明をきちんと入れておきましょう。
③「貴社で活かせるスキル・経験」
・リストラを受けたこととは関係がありませんから、堂々と求人に合った内容を盛り込んでおけばいいです。
④「自己PR」
・自身が一番自信のある「チームマネジメント力」にフォーカスして、その詳細を述べるのは非常に効果的です。
・最後にリストラの憂き目に遭ったことについて、自身の心情を吐露しておくのは大事です。このように悔しさをバネにして当社でバリバリと活躍すると宣言してくれると、採用人事も頼もしく感じることでしょう。

