3-42 異業種・同職種に応募する人の職務経歴書はこう書け!
違う業種、業界でも通用することをPR
できる根拠をきちんと証明することがポイント
異業種・同職種に応募するというのは、たとえば同じ経理職でも、サービス業界での経理経験が長いけれども、今回はメーカーの経理にチャレンジするといったケースです。
経理としてのスキル・経験は兼ね備えていることになりますから、要はそれぞれの業界の違い、特殊さに焦点を合わせて、それに対応できることをきちんと証明することが一番の鍵になります。
ただ何の根拠のない「できます」宣言をしても、採用人事には何にも伝わりません。
ましてこの年代であれば、説得力のない表現をすることについて、そのビジネスセンス自体を疑われてしまいます。
ここはやれる!という宣言とともに、きちんとわかりやすい根拠を示さないといけません。
たとえば先ほどの経理の例で言うと、メーカーでは原価計算スキルが必要になってきますから、これが今までのサービス業界との違い、特殊さだと言えます。
この差異に着目してキャッチアップできる根拠を示さないと納得感がでないということです。
具体的な書き方ですが、この経理の例を用いて4つの項目ごとに見ていきましょう。
「貴社で活かせるスキル・経験」にて、経理業務については十二分に経験とスキルがある旨を記述した後、複数の業種、業界経験で培った「幅広い守備範囲と業務適応能力」や「経理ソフトリテラシー」をプラスアルファで盛り込むのは非常に有効です。
そして「自己PR」欄を使って、自身が不足しているスキルをキャッチアップするために、(原価計算の科目が追加される)日商簿記1級資格の習得チャレンジや経理実務セミナーへの参加などを謳うのもいいでしょう(下記の見本では、「自己PR」欄にこの取り組みを盛り込んであります)。
資格やセミナー参加はオフィシャルなものですから、一定の知識やスキルを兼ね備えている証左になり、未経験の領域を埋めるいい常套手段です。だからその取り組みがあれば、堂々とPRして構いません。
この2つの欄をうまく活用して、未経験業界の差を埋めるノウハウや埋める力があることを記述して、採用人事に対して、異業種の当社であっても十分やれるという安心感・安定感を提供することが肝要です。
なお、同職種ですから、ここは捻りを加えずに基本どおり書いておけば、その経験・スキルを保有していることは伝わります。
それなので、「職務要約」欄と「職務詳細」欄については、粛々と積み上げてきたキャリアを記述しておけば大丈夫です。
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異業種・同職種に応募する人の職務経歴書サンプル
41歳男性。大学卒業後販売職を経て経理・総務職でキャリアを積む。
今回は同じ経理職で異業界のメーカーの経理・総務職(マネージャー候補)への応募。


ここがポイント!
①「職務要約」
・年齢と転職回数の多さから、ここは「一気通貫記述法」を用いてまとめておきます。
②「職務詳細」
・経験社数が6社と多いので、「キャリア式」で書きます。
・「職歴年表」をこの「職務詳細」の前に入れておくと、経理経験の遷移見えてわかりやすくなります。
③「貴社で活かせるスキル・経験」
・経理職でのスキル・経験が充分であることをPRした上で、「幅広い守備範囲と業務適応能力」と記述して、業界が変わっても対応できることをさりげなくPRしておきます。
④「自己PR」
・自身が一番頑張った時代のことに光を当てて、際立たせる方法は有効です。特に課長に昇格できた背景がこれでしっかりとつかめます。
・最後に「柔軟性と協調性」、「適合」というキーワードをちりばめながら、入社意欲を語ることで、業種が変わっても経理職としてやれる可能性を感じさせることに成功しています。