3-4 「ハイブリッド式」職務経歴書とは?
「編年式」と「キャリア式」を配合させたもの
実務経験が薄い場合でも、ボリュームを確保してPRできる
この「ハイブリッド(混合)式」は、職務経歴書の2大スタイルである「編年式」と「キャリア式」を組み合わせたスタイルになります。
このスタイルは、双方のよいところを取り入れつつ、双方の不足部分を補うことにより、一層訴求力の高いものを作り上げることができるのが最大のメリット。
たとえば、「編年式」ではわかりにくい、「いったい応募者はどのようなスキルを保有しているのか?パッと見ただけではつかめない」といった懸念材料も、「キャリア式」の要素を取り入れることで、その経験領域や専門性・強みを明瞭に打ち出すことができます。
また、「キャリア式」は時間軸が見えないのが一番の弱点ですが、このスタイルにより時間軸も一目でわかるようになります。
双方のおいしいところを取り入れるので、いい事尽くしのスタイルに見えますが、大きなデメリットが2つあります。
一点目は、ボリュームが増え過ぎて、ともすると「編年式」と「キャリア式」の構成要素の中で同じ内容を繰り返すことになり、かえって読み手に情報が効果的に伝わりにくくなるリスクがあります。だから「編年式」と「キャリア式」の双方の領域で内容が重複しないように分担することが、このリスク回避策になります(下記の見本では、その策が講じてあります)。
なお、下記の見本のように職務経歴書は最大2枚に収めるのが基本ルールですが、経験豊富な中高年がこの枠に効率よくかつバランスよくまとめ上げて、なおかつ先ほどの重複を避けるといった記述をするのは、至難の技と言えます。
特にこのスタイルはそれが難しく、この“作成・編集の難しさ”が2つ目のデメリットです。
転職回数が多い人や多様な職種経験がある人は、ただでさえボリュームが多くなりがちですから、このスタイルを使うと軽く2枚は超えてしまいますので、完全に不向きと言えます。
逆にこのスタイルに適した人ですが、経験が浅い業種や異業種へのチャレンジなど、自身の職歴を粛々と書き綴っても、応募職種に対してのPRのボリュームが明らかに不足している人、もしくはどちらかというと単調な経歴の持ち主で、アピール度を高めたい人です。
ただしこのスタイルを作成するに当たっては、「編年式」と「キャリア式」の双方をある程度のレベルで仕上げられる、非常に高い書類作成能力が必要になりますので、2大スタイルである「編年式」と「キャリア式」の採用をまず検討してみて、物足りなさを感じる場合、このスタイルの導入を進めてください。



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