3-40 同業種・異職種に応募する人の職務経歴書はこう書け!
業界に通じていることは一番の「売り」
綿密な職種研究、企業研究により、少しでもPRを高める工夫を
この年代の職種未経験者を採用するというケースは、一般的にかなり限定的と考えていいでしょう。
未経験歓迎の求人はターゲットが若手に偏っているものが多いですし、そもそも即戦力が求められるこの世代に対して、キャリアチェンジ(異職種へのキャリア変更)を受け入れる求人自体があまりありません。
だからこそ、職務経歴書の書き方にはテクニックが必要になります。
この場合を取り上げると、同業種での勤務経験があるわけですから、業界に通じている点は最高に売りになります。
業種、業界にはそれぞれに特殊性があり、一筋縄ではいかないところがあります。
たとえば、ある業界では買い手の立場が強く、納品して決済した製品であっても、使わなければ返品して返金する、というのが日常茶飯事で行われています。
このような業種、業界の商慣習、文化は何もこの例の業界が特殊なわけではなく、どこでも独特のものがありますから、これを熟知しているだけでも充分アドバンテージがありますので、この点をきちんと訴求することが肝要になります。
具体的な書き方ですが、下記の見本のように、「貴社で活かせるスキル・経験」欄で業界での豊富な業務経験を謳うのが、定石になります。
「職務詳細」の中の「転職志望理由」欄や「自己PR」欄で、その業界での経験を詳細に語る、またキャリアチェンジする背景や応募職種への想いを熱く語るのも有益でしょう。
その他の項目である「職務要約」欄、「職務詳細」欄(「転職志望理由」欄を除く)は、特段いじることなく基本どおりに書けば、その業界経験の豊富さは証明できますので、特に細工は不要です。
なお、その未経験の応募職種に関して、自身のキャリアの中から、少しでも役立ちそうなものをピックアップしてPRしておかないといけません。
たとえば、汎用的なビジネススキルはこの年代なら必ず身につけているはずです。
書類作成力、プレゼン能力、コミュニケーション術、マネジメントスキル、人材育成術など、この年代ならば未経験職種に対しても、何らかの訴えるべきスキルが絶対にあります。
ここは応募先企業、応募職種をしっかりと研究して、少しでも採用人事に響くものを選択して記述します。
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同業種・異職種に応募する人の職務経歴書サンプル
38歳男性。大学卒業後、約16年間、総務職一筋でキャリアを積み上げる。
今回は自社ブランドLSI製品の提案営業職への応募。
ここがポイント!
①「職務要約」
・ここは職歴を「一気通貫記述法」を用いて簡単にまとめておいた後に、応募職種に合わせた内容を盛り込んでおきます。
②「職務詳細」
・経験社数が2社なので、「編年式・逆年代順形式」で書きます。
・「転職志望理由」欄がキモです。多少ボリュームが多くなっても、納得できる理由を書いておきます。
③「貴社で活かせるスキル・経験」
・「システムLSIの設計業界の経験(12年)」や「システムLSIの製品知識、受注から開発、納品といった一連の業務フローの造詣」といったように、業界経験を前面に打ち出すのは、非常に効果的です。
・その他、応募職種にマッチした「交渉力・調整力」、「プレゼン書類作成能力」といったビジネススキルをPRするのも、有益です。
④「自己PR」
・現場主義、フットワークの軽さといった点をPRすることにより、営業としての資質があることを感じさせます。
・バックオフィスを知り尽くしているから、フロントラインでも活躍できる、という独自の視点、発想は、採用人事の関心を惹くでしょう。

